【理論】令和3年 問8|正弦波交流電圧を加えた抵抗回路の電流瞬時値に関する計算問題
図\( 1 \) の回路において,図\( 2 \) のような波形の正弦波交流電圧 \( v \) [V] を抵抗 \( 5 \) Ω に加えたとき,回路を流れる電流の瞬時値 \( i \) [A] を表す式として,正しいものを次の \( (1) \) ~ \( (5) \) のうちから一つ選べ。
ただし,電源の周波数を \( 50 \) Hz ,角周波数を \( \omega \) [rad/s] ,時間を \( t \) [s] とする。

合格への方程式
正弦波交流の基本
正弦波交流は、時間とともに大きさと向きが正弦関数に従って変化する電流です。私たちの家庭に届く電気も正弦波交流です。
正弦波交流の瞬時値は次の式で表されます:
\[ \begin{aligned} e(t) &= E_{\mathrm{m}}\sin(\omega t + \theta) \\ e(t) &= E_{\mathrm{m}}\sin(2\pi f t + \theta) \end{aligned} \]
ここで:
- \(e(t)\):時間\(t\)における電圧の瞬時値 [V]
- \(E_{\mathrm{m}}\):振幅(最大値)[V]
- \(\omega\):角速度 [rad/s]
- \(f\):周波数 [Hz]
- \(t\):時間 [s]
- \(\theta\):初期位相 [rad]
角速度\(\omega\)と周波数\(f\)、周期\(T\)の関係:
\[ \begin{aligned} \omega &= 2\pi f \\ T &= \frac{1}{f} = \frac{2\pi}{\omega} \end{aligned} \]
例題
振幅100V、周波数60Hz、初期位相0の正弦波交流の式を求めましょう。
与えられた情報:
- \(E_{\mathrm{m}} = 100\) [V]
- \(f = 60\) [Hz]
- \(\theta = 0\) [rad]
式に代入すると:
\[ \begin{aligned} e(t) &= E_{\mathrm{m}}\sin(2\pi f t + \theta) \\ &= 100\sin(2\pi \cdot 60 \cdot t + 0) \\ &= 100\sin(120\pi t) \text{ [V]} \end{aligned} \]
実効値と平均値
正弦波交流の実効値は最大値(振幅)の \(\frac{1}{\sqrt{2}}\) 倍です:
\[ \begin{aligned} E &= \frac{E_{\mathrm{m}}}{\sqrt{2}} \approx 0.707 \cdot E_{\mathrm{m}} \text{ [V]}\\ I &= \frac{I_{\mathrm{m}}}{\sqrt{2}} \approx 0.707 \cdot I_{\mathrm{m}} \text{ [A]} \end{aligned} \]
実効値とは、交流が直流と同じ電力効果を持つ場合の値です。例えば、100Vの交流(実効値)は、100Vの直流と同じ電力を消費します。
正弦波交流の平均値(絶対値の平均)は最大値の \(\frac{2}{\pi}\) 倍です:
\[ \begin{aligned} E_{\mathrm{ave}} &= \frac{2}{\pi} \cdot E_{\mathrm{m}} \approx 0.637 \cdot E_{\mathrm{m}} \text{ [V]}\\ I_{\mathrm{ave}} &= \frac{2}{\pi} \cdot I_{\mathrm{m}} \approx 0.637 \cdot I_{\mathrm{m}} \text{ [A]} \end{aligned} \]
例題
振幅が200Vの正弦波交流の実効値と平均値を求めましょう。
実効値:
\[ \begin{aligned} E &= \frac{E_{\mathrm{m}}}{\sqrt{2}} = \frac{200}{\sqrt{2}} \approx 141.4 \text{ [V]} \end{aligned} \]
平均値:
\[ \begin{aligned} E_{\mathrm{ave}} &= \frac{2}{\pi} \cdot E_{\mathrm{m}} = \frac{2}{\pi} \cdot 200 \approx 127.3 \text{ [V]} \end{aligned} \]
位相差
二つの正弦波交流の間に時間的なずれがある場合、これを「位相差」と呼びます。一般的に角度(ラジアンまたは度)で表します。
位相差のある二つの正弦波は次のように表されます:
\[ \begin{aligned} e_1(t) &= E_{m1}\sin(\omega t) \\ e_2(t) &= E_{m2}\sin(\omega t + \phi) \end{aligned} \]
ここで、\(\phi\)は位相差を表します。
位相差の特徴:
- 位相差が正(\(\phi > 0\)):第2の波形が第1の波形より進んでいる
- 位相差が負(\(\phi < 0\)):第2の波形が第1の波形より遅れている
- \(\phi = \pi\) [rad](または180°):互いに逆位相
- \(\phi = 2\pi\) [rad](または360°):位相差がなく、同位相
交流回路では、電圧と電流の間に位相差が生じることがあります。これは回路の性質(抵抗、コイル、コンデンサなど)に依存します。
- 抵抗のみの回路:位相差なし
- コイル(インダクタンス)を含む回路:電流が電圧より遅れる
- コンデンサ(キャパシタンス)を含む回路:電流が電圧より進む
交流回路の計算
交流回路の計算では、抵抗(R)だけでなく、コイルのインダクタンス(L)とコンデンサのキャパシタンス(C)による「リアクタンス」も考慮する必要があります。
交流回路の基本要素とそのインピーダンス:
回路素子 | インピーダンス | 位相差(電圧と電流) |
---|---|---|
抵抗 (R) | \(Z_R = R\) [Ω] | 0°(なし) |
コイル (L) | \(Z_L = j\omega L\) [Ω] | +90°(電流が遅れる) |
コンデンサ (C) | \(Z_C = \frac{1}{j\omega C}\) [Ω] | -90°(電流が進む) |
インピーダンスの合成:
\[ \begin{aligned} \text{直列接続:} Z_{total} &= Z_1 + Z_2 + Z_3 + \cdots \\ \text{並列接続:} \frac{1}{Z_{total}} &= \frac{1}{Z_1} + \frac{1}{Z_2} + \frac{1}{Z_3} + \cdots \end{aligned} \]
例題
抵抗 \(R = 100\) [Ω]、インダクタンス \(L = 0.1\) [H]、周波数 \(f = 50\) [Hz] の直列回路のインピーダンスを求めましょう。
まず、角速度を計算します:
\[ \begin{aligned} \omega &= 2\pi f = 2\pi \cdot 50 = 100\pi \text{ [rad/s]} \end{aligned} \]
コイルのリアクタンスは:
\[ \begin{aligned} X_L &= \omega L = 100\pi \cdot 0.1 = 10\pi \approx 31.4 \text{ [Ω]} \end{aligned} \]
回路の合成インピーダンスは:
\[ \begin{aligned} Z &= R + jX_L \\ &= 100 + j31.4 \text{ [Ω]} \\ |Z| &= \sqrt{R^2 + X_L^2} = \sqrt{100^2 + 31.4^2} \approx 104.7 \text{ [Ω]} \end{aligned} \]
🔍 ワンポイントアドバイス: 正弦波交流を理解するコツは、常に「時間とともに変化する」イメージを持つことです。グラフを描いて波の動きをイメージすると理解しやすくなります。また、交流回路の計算では複素数を使うことで、大きさと位相を同時に扱えることを覚えておきましょう。
今日は正弦波交流の電圧と電流の関係について勉強していくで!まずは基本から確認していこか。正弦波交流の電圧の表し方、覚えてるかな?
はい、先生!正弦波交流の電圧v(t)は、次の式で表されます:
\[ v(t) = V_m \sin(\omega t + \theta) \]ここで:
- v(t):時刻tにおける瞬時電圧 [V]
- Vm:最大値(振幅) [V]
- ω:角周波数 [rad/s]
- t:時間 [s]
- θ:初期位相 [rad]
また、角周波数ωと周波数f [Hz]の関係は以下の通りです:
\[ \omega = 2\pi f \]ええやん!正弦波交流の基本式をしっかり理解してるな。最大値Vm、角周波数ω、初期位相θの意味もバッチリやね。
次に、実効値と最大値の関係についても確認しとこか。実効値Vと最大値Vmの関係式は?
はい、先生!実効値Vと最大値Vmの関係式は次のようになります:
\[ V = \frac{V_m}{\sqrt{2}} \]または、最大値を実効値で表すと:
\[ V_m = V \times \sqrt{2} \]この関係は交流の電圧だけでなく、電流についても同様に成り立ちます:
\[ I = \frac{I_m}{\sqrt{2}} \] \[ I_m = I \times \sqrt{2} \]ここで、Iは電流の実効値、Imは電流の最大値です。
完璧や!実効値と最大値の関係もしっかり理解できてるね。
さて、今日は次のような問題を考えてみよう:
交流電源の電圧v(t)が
\[ v(t) = V_m \sin(\omega t + \theta) \]で表されるとする。ここで、
\[ V_m = 100\sqrt{2} \ \mathrm{[V]} \] \[ \omega = 100\pi \ \mathrm{[rad/s]} \] \[ \theta = -\frac{\pi}{4} \ \mathrm{[rad]} \]のとき、この電源に抵抗R = 5Ωを接続した場合の電流i(t)を求めよ。
まずは、与えられた情報から電圧v(t)の式を導いてみよか。
はい、先生!まず電圧v(t)の式を導きます。
与えられた情報は:
- Vm = 100√2 [V]
- ω = 100π [rad/s]
- θ = -π/4 [rad]
これらを正弦波交流の基本式に代入します:
\[ \begin{aligned} v(t) &= V_m \sin(\omega t + \theta) \\ &= 100\sqrt{2} \sin(100\pi t - \frac{\pi}{4}) \end{aligned} \]これが求める電圧v(t)の式になります。
ちなみに、角周波数ω = 100π [rad/s]から周波数fを求めると:
\[ \begin{aligned} \omega &= 2\pi f \\ f &= \frac{\omega}{2\pi} = \frac{100\pi}{2\pi} = 50 \ \mathrm{[Hz]} \end{aligned} \]つまり、50Hzの交流電源であることがわかります。
ええやん!電圧の式をちゃんと導出できてるな。v(t) = 100√2 sin(100πt - π/4) という式になるね。周波数が50Hzということも確認できたな。
それじゃあ、次に電流i(t)を求めてみよか。抵抗R = 5Ωに流れる電流はオームの法則を使って計算できるね。
はい、先生!抵抗に流れる電流はオームの法則を使って計算します。
オームの法則より、電流i(t)は:
\[ \begin{aligned} i(t) &= \frac{v(t)}{R} \\ &= \frac{100\sqrt{2} \sin(100\pi t - \frac{\pi}{4})}{5} \\ &= 20\sqrt{2} \sin(100\pi t - \frac{\pi}{4}) \ \mathrm{[A]} \end{aligned} \]これが求める電流i(t)の式になります。
よって、答えは選択肢の(5)です。
なお、この回路は純抵抗回路なので、電流は電圧と同位相になっています。最大値(振幅)は:
\[ I_m = 20\sqrt{2} \approx 28.28 \ \mathrm{[A]} \]実効値に直すと:
\[ I = \frac{I_m}{\sqrt{2}} = \frac{20\sqrt{2}}{\sqrt{2}} = 20 \ \mathrm{[A]} \]完璧や!計算も考え方も正確やね。i(t) = 20√2 sin(100πt - π/4) [A] という答えが導けたな。答えは選択肢の(5)だな
ちょっと確認の意味も込めて、今回の電圧と電流の実効値を計算してみようか。
はい、先生!電圧と電流の実効値を計算します。
まず、電圧の最大値は Vm = 100√2 [V] ですので、実効値は:
\[ \begin{aligned} V &= \frac{V_m}{\sqrt{2}} \\ &= \frac{100\sqrt{2}}{\sqrt{2}} \\ &= 100 \ \mathrm{[V]} \end{aligned} \]次に、電流の最大値は Im = 20√2 [A] ですので、実効値は:
\[ \begin{aligned} I &= \frac{I_m}{\sqrt{2}} \\ &= \frac{20\sqrt{2}}{\sqrt{2}} \\ &= 20 \ \mathrm{[A]} \end{aligned} \]また、オームの法則から直接実効値同士の関係を確認すると:
\[ \begin{aligned} I &= \frac{V}{R} \\ &= \frac{100}{5} \\ &= 20 \ \mathrm{[A]} \end{aligned} \]計算結果が一致したので、答えが正しいことが確認できました。
ええやん!実効値の計算もばっちりやね。電圧の実効値が100V、電流の実効値が20Aで計算が合ってるな。
さて、今回の問題では純抵抗回路だったから、電圧と電流は同位相やったけど、もし回路にインダクタンスやキャパシタンスが含まれてたらどうなるか考えてみよか?
はい、先生!回路にインダクタンス(L)やキャパシタンス(C)が含まれると、電圧と電流の位相関係が変わってきます。
インダクタンス(L)の場合:
- インダクタンスでは、電流が電圧より位相が90度遅れます
- インダクタンスのリアクタンスは XL = ωL [Ω]
- 電圧と電流の関係式は v(t) = L・di(t)/dt
キャパシタンス(C)の場合:
- キャパシタンスでは、電流が電圧より位相が90度進みます
- キャパシタンスのリアクタンスは XC = 1/(ωC) [Ω]
- 電圧と電流の関係式は i(t) = C・dv(t)/dt
RLC混合回路の場合:
抵抗R、インダクタンスL、キャパシタンスCが混在する回路では、回路のインピーダンスZは:
\[ Z = \sqrt{R^2 + (X_L - X_C)^2} \ \mathrm{[\Omega]} \]位相差φは:
\[ \phi = \tan^{-1}\left(\frac{X_L - X_C}{R}\right) \ \mathrm{[rad]} \]電流の式は:
\[ i(t) = \frac{V_m}{Z}\sin(\omega t + \theta - \phi) \ \mathrm{[A]} \]ここで、φが正の場合は電流が電圧より遅れ(誘導性)、φが負の場合は電流が電圧より進む(容量性)ことを意味します。
すごいな!RLC回路での電圧と電流の関係もしっかり理解してるやん。特に位相関係を正確に説明できてるのがエライで!
じゃあ、今回の問題を少し発展させて考えてみよか。同じ電源電圧 v(t) = 100√2 sin(100πt - π/4) に、抵抗 R = 4Ω とインダクタンス L = 10mH を直列に接続した場合、回路に流れる電流 i(t) はどうなるやろう?
はい、先生!R-L直列回路の電流を求めてみます。
まず、回路のインピーダンスZを計算します。
抵抗成分:R = 4Ω
インダクタンスのリアクタンス:
\[ \begin{aligned} X_L &= \omega L \\ &= 100\pi \times 10 \times 10^{-3} \\ &= \pi \ \mathrm{[\Omega]} \end{aligned} \]したがって、インピーダンスZは:
\[ \begin{aligned} Z &= \sqrt{R^2 + X_L^2} \\ &= \sqrt{4^2 + \pi^2} \\ &= \sqrt{16 + 9.87} \\ &= \sqrt{25.87} \\ &\approx 5.09 \ \mathrm{[\Omega]} \end{aligned} \]位相差φは:
\[ \begin{aligned} \phi &= \tan^{-1}\left(\frac{X_L}{R}\right) \\ &= \tan^{-1}\left(\frac{\pi}{4}\right) \\ &= \tan^{-1}(0.785) \\ &\approx 0.66 \ \mathrm{[rad]} \\ &\approx 38^\circ \end{aligned} \]したがって、電流i(t)は:
\[ \begin{aligned} i(t) &= \frac{V_m}{Z}\sin(\omega t + \theta - \phi) \\ &= \frac{100\sqrt{2}}{5.09}\sin(100\pi t - \frac{\pi}{4} - 0.66) \\ &\approx 27.9\sin(100\pi t - \frac{\pi}{4} - 0.66) \\ &\approx 27.9\sin(100\pi t - 1.44) \ \mathrm{[A]} \end{aligned} \]この回路では、インダクタンスの影響で電流は電圧より約38度(0.66rad)遅れています。
素晴らしい!R-L直列回路の計算もきっちりできてるやん!インピーダンスと位相の計算を正確に行って、電流の式まで導けてるのがエライな。
今回のように、抵抗とインダクタンスが含まれる回路では、電流は電圧より遅れるという特性があるね。これは誘導性負荷の特徴やな。
じゃあ今度は、電源の力率について考えてみよか。この回路の力率はいくらになる?
はい、先生!力率を計算します。
力率は位相差φの余弦(cosφ)で表されます:
\[ \begin{aligned} \text{力率} &= \cos\phi \\ &= \cos(0.66) \\ &\approx \cos(38^\circ) \\ &\approx 0.788 \end{aligned} \]したがって、この回路の力率は約0.788、つまり約78.8%です。
また、力率は次のようにも計算できます:
\[ \begin{aligned} \text{力率} &= \frac{R}{Z} \\ &= \frac{4}{5.09} \\ &\approx 0.786 \end{aligned} \]僅かな誤差は丸め誤差によるものですが、本質的には同じ値になります。
力率が0.788ということは、皮相電力のうち78.8%が有効電力として消費されることを意味します。残りの約21.2%は無効電力となります。
すごいな!力率の計算も完璧や!力率が約78.8%と正しく求められてるね。力率の物理的意味についての解説もええ感じや。
さて、今日は交流回路の電圧と電流について基本から応用まで学んできたけど、最後に大事なポイントをまとめておこか。
- 正弦波交流の基本式:v(t) = Vm sin(ωt + θ)
- 実効値と最大値の関係:V = Vm/√2、Vm = V×√2
- 純抵抗回路では電圧と電流は同位相
- インダクタンスがあると電流は電圧より遅れる
- キャパシタンスがあると電流は電圧より進む
- インピーダンスZ = √(R² + (XL - XC)²)
- 位相差φ = tan⁻¹((XL - XC)/R)
- 力率 = cosφ = R/Z
これらの知識は第三種電気主任技術者試験でも頻出やから、しっかり覚えておくんやで!
何か質問ある?
はい、先生!一つ質問があります。今回の例では単相交流回路でしたが、実際の電力系統では三相交流が使われていますよね。三相交流の場合、電圧や電流の表し方はどのように変わるのでしょうか?また、三相交流での力率計算も同じように行えるのでしょうか?
ええ質問やな!三相交流は実務でもめっちゃ重要やから、ちょっと説明しとこか。
三相交流では、120度(2π/3 rad)ずつ位相がずれた3つの正弦波を使うんや。それぞれの相の電圧は次のように表せるで:
\[ \begin{aligned} v_1(t) &= V_m \sin(\omega t) \\ v_2(t) &= V_m \sin(\omega t - \frac{2\pi}{3}) \\ v_3(t) &= V_m \sin(\omega t - \frac{4\pi}{3}) \end{aligned} \]三相交流では、相電圧(各相と中性点間の電圧)と線間電圧(相間の電圧)があって、バランスのとれた三相回路では、線間電圧の大きさは相電圧の√3倍になるんや:
\[ V_L = \sqrt{3} \times V_P \]ここで、VLは線間電圧の実効値、VPは相電圧の実効値やね。
三相交流の電力計算では、三相の合計電力は各相の電力の和になるんやけど、バランスのとれた三相回路なら、次の式で求められるで:
\[ P = \sqrt{3} \times V_L \times I_L \times \cos\phi \]ここで、ILは線電流の実効値、cosφは力率やね。力率の計算方法自体は単相と同じで、位相差φの余弦で表されるで。
三相交流のええところは、電力の脈動がなく一定になることや、同じ電力なら導体の使用量が少なくて済むこと、回転磁界が簡単に作れることなんや。これらの特性があるから、大規模な電力系統や大型モーターなどには三相交流が広く使われてるんやで。
ありがとうございます、先生!三相交流についてよく理解できました。三相交流では各相が120度ずつずれていて、線間電圧が相電圧の√3倍になるという点が重要なポイントですね。
また、三相電力の計算式 P = √3 × VL × IL × cosφ も覚えておきます。電力の脈動がないというのは、電力品質の面で大きなメリットですね。
今日は正弦波交流の基本から応用、さらには三相交流まで幅広く学ぶことができました。第三種電気主任技術者試験に向けて、しっかり復習します!ありがとうございました!
よう理解できてるな!三相交流のポイントもしっかり掴んでるやん。
今日勉強した交流回路の基礎は、電気主任技術者として必須の知識やから、繰り返し復習してな。特に電圧と電流の位相関係、インピーダンスと力率の計算は実務でもよく使うからしっかり覚えておくんやで。
また何か質問があれば、いつでも聞いてな!次回もがんばろう!
はい、先生!今日はとても分かりやすい授業をありがとうございました。正弦波交流の基礎から応用まで、丁寧に説明していただいて本当に勉強になりました。特に電圧と電流の位相関係やインピーダンス、力率の計算方法はしっかり復習します。次回も頑張ります!
解説まとめ
「正弦波交流の基本」の通り、電圧 \( v(t) \) [V] は次の式で表されます:
\( v(t) = V_{\mathrm{m}} \sin(\omega t + \theta) \)
ここで、各定数は次のように与えられています:
\( V_{\mathrm{m}} = 100\sqrt{2} \ \mathrm{[V]} \)
\( \omega = 2\pi f \)
\( = 2\pi \times 50 \)
\( = 100\pi \ \mathrm{[rad/s]} \)
\( \theta = -\frac{\pi}{4} \ \mathrm{[rad]} \)
したがって、電圧 \( v(t) \) は次のように表されます:
\( v(t) = 100\sqrt{2} \sin\left(100\pi t - \frac{\pi}{4}\right) \)
これを抵抗 \( R = 5 \) Ω に加えたとき、線路を流れる電流 \( i(t) \) [A] はオームの法則により:
\( i(t) = \frac{v(t)}{R} \)
\( = \frac{100\sqrt{2} \sin\left(100\pi t - \frac{\pi}{4}\right)}{5} \)
\( = 20\sqrt{2} \sin\left(100\pi t - \frac{\pi}{4}\right) \ \mathrm{[A]} \)
このようにして、正弦波電圧に対する電流の式が求められます。